■丸帯
(巾:約32cm/ 長さ:約4m20cm)
礼装、正装用の最も格調の高い帯ですが現在では花嫁、芸妓、舞踊の衣裳などに用いられます。広帯とも呼ばれ広巾に織られ、それを二つ折りにして端を縫い合わせ、芯を入れたもので、できあがりは片方が輪二なります。柄の有職文様、吉祥文様がほとんどで、帯地も唐織、金襴、綴錦などの豪華絢爛で優雅な美しさがあります。織り帯が正式ですが、他に紋綸子御、塩瀬羽二重、縮緬(ちりめん)などの生地に友禅染めや、刺繍、絞りなどをほどこした染め帯もあります。
■袋帯
(巾:約30cm/ 長さ:約4m20cm)
丸帯にかわる現在の代表的な礼・正装、晴れ着用の帯です。本袋帯と縫い袋帯の2種類がありますが、最近はほとんど別々に織った表地と裏地を縫い合わせた縫い袋帯です。丸帯より軽く締めやすいのが特徴で、柄は古典的な有職文様から現代的な抽象柄まであります。礼装用としては格調高い有職文様、吉祥文様のものが中心です。
模様付けは六通が多く、素材としては唐織、金襴、銀襴、糸錦、佐賀錦、綴りなどがあります。
素材や柄・色彩によってはミス・ミセスの礼装から略礼装などに用いられ、両面ものも見られます。
■おしゃれ袋帯
(巾:約30cm/ 長さ:約4m20cm)
おしゃれ着専用の帯で、織りのきものや小紋などに好んで用いられます。
六通柄やお太鼓柄などがあり、うるし箔や変り織、あるいは金・銀襴、糸錦などの裂地や、紬織りのものがあります。最近では両面が使用できるたのしい帯もあり、礼装用以外のほとんどのきものに用いられます。
■九寸なごや帯
(巾:約30cm/ 長さ:約3m60cm)
お太鼓の部分はふつうの帯巾で、胴に巻く方は半巾になっていて、心が入っています。広巾の帯より大変締めやすいということで、一般的に普及しました。体型より、帯巾を多少広めに仕立てることができます。
略礼装などにも使える格の高い織りの帯から、街着や普段着用の染めの帯(塩瀬・縮緬)まであり、いずれにもお太鼓柄、六通、金通などの柄付けがあります。
■八寸なごや帯
(巾:約30cm/ 長さ:約3m60cm)
袋なごや帯ともいわれ、芯なしで両耳をかがって仕立てられています。
九寸などや帯をさらに簡略にしたもので、ほとんどが文織りか紬織りの軽い帯ですが、材質によっては格の高い特殊なものもあります。しかし、一般的には九寸なごや帯より格は少し劣ります。
■腹合わせ帯
(巾:約30cm/ 長さ:約3m60cm)
表と裏を布地・色・柄のちがうものを2枚合わせ、芯を入れて仕立てた帯で、表と裏の色の組み合わせにより、昼夜帯・鯨帯などと呼ばれています。
紬織り、または、木綿などが多く、両面が使える楽しさがあり、おしゃれ帯として使用されます。
■半巾帯・小袋帯
(巾:約15cm/ 長さ:約3m20cm〜3m60cm)
普通の帯の半分巾の帯を半巾帯といいますが、これには単帯と小袋帯があります。
単帯は博多・ウールなど普段着、浴衣などに用いられ、小袋帯は袋状に織ったものや、表、裏の帯地2枚を縫い合わせたものがあり、素材は錦、緞子(どんす)、博多、紬、綿などで、パーティー用、踊り用、普段着用と用途はさまざまです。
■掛下帯
(巾:約25cm/ 長さ:約4m20cm)
江戸時代の武家の女性が礼装に用いた帯でしたが、現在は花嫁の打ち掛けの下に締める帯です。
一般の女帯より、巾、長さともに小型で、打掛姿をよく見せるため、文庫に結びます。帯地は白地に紋織りや刺繍が施されています。
■抱帯
(巾:約6cm/ 長さ:約2m70cm)
もとは打掛を止めるために使われましたが、現在は花嫁衣裳や七五三の帯の下線に装飾用として用いられます。
■角帯
(巾:約7〜13cm/ 長さ:約4m)
男性の礼装から普段着まで幅広く用いられる帯で、紋織り、綴織、博多織、紬織まどがあります。
種類は芯を入れて仕立てる丸帯、あるいは、袋帯に織られたもの、厚い地風の一重ものなどがあります。
■兵児(へこ)帯
(巾:約40〜90cm/ 長さ:約3m20cm〜4m)
男子や子供の帯で街着、普段着に用いられます。
羽二重、縮緬の端絞り、総絞り、または、紬などで、縫わないでそのまま、しごいて結ぶ帯です。